視力について

目のメカニズムはとっても精巧で複雑なものです。
詳しく説明しだすと、非常に難しく学問的なお話になってしまいますので、
ここでは視力矯正や視力回復への基礎知識として、 私たちの「目」について、
簡単に分かりやすく、その仕組みを見てみましょう。

<ものが見える仕組み>

眼でものを見る仕組みは、カメラの仕組みにとてもよく似ています。

カメラでは、シャッターボタンを押すと光がレンズを通り、
フィルムに像として焼き付けられて写真を撮ることが出来ます。
眼も場合も同じように、瞳から入った光が水晶体(=カメラのレンズ)を 通る時に屈折して
網膜(=カメラのフィルム)で対象物を結び、物を認識します。

最近では殆どが自動になっていますが、カメラの場合シャッターボタンを押す前に
ピントを合わせたり、絞りやフィルム感度の設定を行います。
実は眼にも同じような役割を果たす部分があって、無意識のうちにピントを合わせています。
筋肉の伸び縮みによって、遠い物を見るときは水晶体が薄く、近い物を見るときは厚くなって、
常に網膜の位置でピントが合うようになっているのです。

フィルムにあたる網膜には光の明るさや色合いを感じとる視細胞が密集していて、
ここに届けられた情報は、視神経を通り、脳の中の「視覚野」に送られます。
「視覚野」は言わばフィルムの現像プリント工場。
ここで眼で見た情報は「映像」となります。

単に物を見ているだけのつもりでも、実はこれだけの作業を行っているのですから、
目は本当にすごい機能をもった器官ですね。
「見える」と言うことは、実は、非常に複雑なシステムなのです。

<視力のお話>

視力が良い・悪いなどと言いますが、そもそも「視力」とはどういうものなのでしょうか?

視力を測定する方法として真っ先に浮かんでくるのは、
身体検査や免許証の更新などで行われる、片目をお玉のようなもので隠して
アルファベットの「C」のようなマークを「右」とか「上」とか言うアレですね。
実はこの「C」のようなマーク、正式には「ランドルト環」と言って、
世界共通の視力検査用の記号なのです。
フランスの眼科医ランドルトにちなんだ名前で、 サイズ1.5mmのランドルト環の切れ目の場所を
5m離れたところから見ることで 視力を測定します。

この視力の検査方法は、止まっているものを見る眼の能力のみを測定していて、
普段私たちが「視力」と読んでいるのもは正確には「静体視力」と言います。

実はそれ以外にも、視力には「動体視力」、「中心視力」、「周辺視力」、「立体視力」など、
様々なものがあります。

「動体視力」
日常でもよく耳にする「動体視力」は、正確には
「動いているものを視線をはずさずに追い続けられる能力」のことです。
動体視力が優れていれば、実際に動くものを追うことが出来ます。
特にスポーツの世界などでは、重要視されてて、「静体視力」と合わせて
視力を測定する 代表的な目の能力と言えます。

「周辺視力」
私たちは、視野の範囲全体で視力を意識することは殆ど無く、 大体皆同じような状況で
見えていると思っています。
しかし、これはとんでもない誤解です。
視野に入っている中で、どれぐらいの範囲がはっきり見えるか、という能力がこの「周辺視力」ですが
静態視力で言うところの「良い視力」が発揮されるのは、実はごく限られた範囲に過ぎないのです。

「立体視力」
「立体視力」とは、距離感をつかむ視力のことです。
階段で足を踏み外さない、穴があったらよけて通るといった、 日常生活の中で重要な能力です。
この能力は、左右の目を使う中で発達していくものといわれていますが、
最近では小さな頃からテレビやビデオ、ゲームなどの平面画面と接し、 外に出て立体的な空間で
動き回る時間が少なくなった為、 立体視力が未発達状態になるという症例が増えているそうです。


このように一口に「視力」と言っても 眼の持つ能力には様々なものがあり、
静体視力というのは、目本来がもつ能力の一部に過ぎないのです。

<視力と脳の関係>

眼の構造は、カメラに似ていると言いました。
確かにメカニズム自体はカメラに例えやすいのですが、 徹底的に違う部分があります。
それは、人間の目は体のバイオリズムや体調、そして何より「脳」が作用する点です。
対象をそのまま単純に反映している訳でなく、脳で「編集」をしているのです。
カメラはありのままに対象物を焼き付けますが、 人間の発達した脳は視覚情報を映像として捕らえ、さらには予測したり、 修正したり、錯覚したりしてしまうのです。
そして、訓練によって発達したり衰えたりしてしまうのも 人間の「視覚」ならではです。
つまり、視力とは、脳を含めた極めて総合的で有機的なシステムなのです。  

眼を健康に保つ為には、 単に眼球や網膜など眼の器官そのものをケアするだけではなく、
体調、精神を健康に保ち、また意識的に視力を維持・回復するトレーニングを行うことなどが 大切なのです。

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